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公開 保全工事

ベランダ防水の種類と寿命 — トップコートの塗り替え・補修と費用

ベランダ(バルコニー)の防水は、主にFRP防水・ウレタン防水・シート防水の3種類です。防水層そのものの寿命の目安は、国の研究機関の資料で15年程度(標準的な条件の場合)。マンションの長期修繕計画の国の記載例では、バルコニーの床防水を12〜15年ごとに修繕します。表面を守るトップコートは、防水層より早く傷むので、塗り替えの時期は製品の仕様と点検で確かめます。

費用は、施工会社の公開価格で、ベランダ防水が1㎡あたり2,500〜6,050円、FRP防水が4,000〜8,800円、トップコートの塗り直しが900〜1,650円です(2026年10月に確認。税込と税の記載なしが混在)。種類の見分け方、塗り替えの時期、補修のサイン、自分でやってよい範囲、費用が上下する理由を順に説明します。

ベランダ防水の種類 — FRP・ウレタン・シートの見分け方

  • FRP防水 — ガラス繊維で補強した樹脂の硬い膜。叩くと硬い音がし、表面はつるっとしている。トップコートがすり減ると、繊維の網目のような模様が見えることがある
  • ウレタン防水 — 液体を塗り重ねた継ぎ目のない膜。押すとわずかに弾力があり、ゴムに近い感触
  • シート防水 — 塩化ビニルやゴムのシートを貼ったもの。シートの継ぎ目や、端を押さえる金物・シールがある

見分けがつかないときは、建てたときの仕様書や、前回の工事の記録を見るのが確実です。種類によって、上に塗れる材料と直し方が変わります。床にタイルやウッドパネル、人工芝を敷いている場合、防水層はその下にあります。

防水の種類ごとの特徴と、かぶせる・撤去する改修の違いは『屋上防水の種類と耐用年数 — 改修工法(かぶせ・撤去)の選び方』で詳しく説明しています。

ベランダ防水の寿命は何年か

  • 防水層(FRP・ウレタン・シート) — 15年程度(建築研究所が示した、標準的な条件での目安。FRPは供用20年程度までのデータからの暫定の値)
  • マンションのバルコニー床防水 — 12〜15年ごとに修繕(国土交通省 長期修繕計画作成ガイドラインの記載例。高圧水洗のうえ下地を整えてウレタン塗膜防水)

どれも目安で、日当たり、雨の当たり方、物の置き方、手入れで前後します。年数より表面の状態で判断してください。

建築研究所の資料は、FRP防水の表面の傷みを3段階に分けています。軽い順に、トップコートの色あせや細かいひび、すり減って白い粉をふく状態(白亜化)、トップコートが無くなってガラス繊維が出ている状態です。最後の段階まで進むと、防水層を守るものが無くなっています。

同じ資料は、施工から10年以上たったFRP防水22件の状態を業界団体の記録から見ています。ふくれやトップコートのすり減りは部分的にあったものの、それだけで漏水に結び付くものではなく、漏水に直結する防水層の切れや端のはがれは、材料の古さではなく納まりの不良(端や排水口まわりの作り方)によるものと推量しています。ベランダでは、床の真ん中より端と排水口のまわりを先に見てください。

ベランダの床に、ローラーで新しいトップコートを塗る作業員

トップコートの塗り替え — 防水層を守る上塗り

トップコートは、防水層の上に塗る仕上げの塗料です。トップコート自体に水を止める力はありません。紫外線や熱、すり減りから防水層を守るのが役目で、これが傷むと、次は防水層が傷みます。

塗り替えは、表面を洗って汚れやコケを落とし、よく乾かしてから、下の防水層に合った下塗りとトップコートを塗ります。防水層にひび・ふくれ・はがれが無い段階で行うのが前提です。傷みが防水層まで進んでいれば、上から塗っても水は止まりません。

補修が要るサイン — ひび割れ・はがれ・ふくれ・水たまり

  • トップコートの細かいひび・色あせ — 表面の傷み。塗り替えの時期
  • 防水層のひび割れ — FRPの防水層が切れていると、ふつうの雨でも水が通る
  • 端のはがれ・めくれ — 壁際やサッシの下、排水口のまわり。雨水が入りやすい
  • ふくれ・浮き — 防水層の下に湿気や水がこもっている
  • 雨のあと、何日も乾かない水たまり — 排水口の詰まりや、床の勾配の不良
  • 下の階の天井や軒裏のしみ — すでに水が入っている

2つ目の防水層の切れと、3つ目の端のはがれは、建築研究所の資料でFRP防水のいちばん重い段階に分けられています。どちらも、見つけたら早めに直してください。

ふくれの原因と、放っておいてよいかの目安は『屋上防水のふくれの原因と補修 — 放っておいてよいか、直し方と費用』で説明しています。

自分でやってよい範囲 — DIYと業者の分かれ目

  • 自分でやってよい — 掃除、排水口のごみや落ち葉の取り除き、写真での記録
  • 条件つきで自分でもできる — 傷みが表面だけのときのトップコートの塗り替え。防水層の種類に合う製品を選び、晴れて乾いた日に、説明書の手順どおりに
  • 頼んだほうがよい — 防水層のひび割れ・はがれ・ふくれ、雨漏りが出ている、手すりの外側や2階以上の外まわりの作業、防水層を新しくすること

ひびをコーキング材やテープでふさぐと、その場はしのげても、次の工事で剥がす手間が増えたり、材料の相性で上から重ねられなくなったりします。ふさいだ場合は、何をどこに使ったかを工事の前に伝えてください。

マンションのベランダは、国土交通省のマンション標準管理規約(令和7年改正)では共用部分で、住んでいる人に専用使用権がある場所です。清掃など通常の使用に伴うことは住んでいる人が行い、経年劣化への対応は管理組合が計画修繕として行う、としています。ただし、修繕の周期より短い期間で起き、ほかのバルコニーと比べて傷みが著しい場合は、特段の事情がない限り、住んでいる人の負担で直すものとしています。自分で防水工事を頼む前に、実際の管理規約を確かめ、管理会社か管理組合に相談してください。

夕暮れの中層マンションの外観

ベランダ防水の費用 — 相場と、何で上下するか

  • ベランダ防水 — 1㎡あたり2,500〜6,050円(4社。うち北海道2社。FRPとウレタンが混在)
  • FRP防水 — 1㎡あたり4,000〜8,800円(10社。札幌の2社は5,000〜7,000円)
  • ウレタン防水・密着工法 — 1㎡あたり2,500〜5,500円(9社)
  • 塩ビシート防水・密着(接着)工法 — 1㎡あたり3,500〜5,500円(5社)
  • トップコートの塗り直し — 1㎡あたり900〜1,650円(4社。うち札幌1社)
  • 既存の防水層の撤去 — 1㎡あたり750〜2,800円(5社)
  • 改修用ドレン(排水口) — 1か所10,000〜20,000円(5社)

どれも、別々の施工会社が公開している価格の最小〜最大で、多くは「〜円から」という下限の表示です(2026年10月に確認。税込と税の記載なしが混在。札幌・北海道と書いたもの以外は全国の例)。札幌市の公共工事の単価表には、FRP防水の値は載っていません。

トップコートの塗り直し(1㎡あたり900〜1,650円)は、防水層をやり直す価格(FRPで4,000〜8,800円)のおおむね数分の一です。表面だけの傷みのうちに塗り直すと、大きな出費を先に延ばせます。

ベランダは面積が小さいので、1㎡あたりの単価に面積を掛けた額どおりにはならないことがあり、1か所いくらで価格を出す会社もあります。値段は、面積のほか、いまの防水層の種類(上に重ねられるか)、下地の傷み、排水口の納まり、エアコンの室外機や物干しの移動、外側に足場が要るかで変わります。

見積書では、工法と層の数、撤去の有無、トップコートの種類、排水口の扱い、保証の年数、税込か税抜かを確かめ、2〜3社を同じ条件で比べてください。補助金を探している場合は『札幌市のリフォーム補助金 — 外壁・屋根・雨漏り修理は対象になるか』を参考にしてください。対象や受付の時期は年度で変わります。

北海道の冬、ベランダで気をつけること

  • 雪を溜めない — 積もった雪は解けて水になる。排水口が凍っていると行き場がない
  • 雪かきで表面を傷つけない — 金属のスコップの角で、トップコートや防水層を削らない
  • 排水口のまわりを空けておく — 雪解けの水が流れる道をつくる
  • サッシの下と、壁際の立ち上がりの上端を見る — 溜まった水が防水層の端より高くなると、そこから入る
  • 工事は雪のない時期に — 国の仕様書でも、雪が予想されるときや気温が著しく低いときは、防水の施工を行わない

雪解けの時期に、ベランダの下の部屋の天井や軒裏にしみが出ていないかを見ておくと、雪のない時期に工事を組みやすくなります。氷が水をせき止めて起きる漏れは、屋根のすがもりと同じ仕組みです。

相談する前に確かめておくこと

  • ベランダの広さ(横×奥行き)
  • 防水の種類(分かれば)と、前回の工事の時期
  • 気になる所の写真(全体と近く)
  • 下の階の天井や軒裏のしみの有無
  • マンションの場合は、管理会社の連絡先と管理規約

当社では、屋上・ベランダの防水を、下地の状態を見てから工法を決めてお引き受けしています。現地確認・お見積りは無料です。

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