屋上の防水をやり直すとき、方法は大きく3つに分かれます。どれが上等ということはありません。いまの防水層がどうなっているかで、選べる範囲が決まります。
1. かぶせる(既存を残して上から重ねる)
いまの防水層をそのまま残し、上から新しい層を重ねます。剥がす手間がないぶん工期が短く、廃材も少なくなります。
使えるのは、下の層に水が入り込んでいない場合です。中に水を含んだまま蓋をすると、その水が逃げ場をなくして膨れます。
2. 剥がす(撤去してからやり直す)
古い層を取り除き、下地から作り直します。中の状態を目で見られるので、原因がはっきりしている場合や、何度も漏れている場合はこちらになります。
工期は伸び、廃材も出ます。そのかわり、次に長く持たせるための下地の直しまで入れられます。

3. 部分的に直す
傷んでいる場所だけを直します。全面をやり直すほどではないが、放っておくと広がる、という段階で選びます。
時間を買う方法だとお考えください。全面改修までの数年をしのぐ、という位置づけになります。
北海道では、ここを見ます
凍結と融解をくり返す地域では、小さな隙間に入った水が凍って膨らみ、その隙間を広げます。これを冬のあいだ何度もくり返します。
そのため、ふくらみ・浮き・端の納まりを先に見ます。表面がきれいでも、端部のシーリングが切れていれば、そこから入ります。
防水の材料にも、いくつかの種類がある
- ウレタン塗膜防水 — 液体の材料を塗り重ねて、継ぎ目のない膜を作ります。形の入り組んだ屋上にも合わせやすい方法です
- シート防水 — 工場で作られたゴムや塩化ビニルのシートを貼ります。厚みがそろいやすく、広く平らな屋上に向きます
- アスファルト防水 — アスファルトを含んだシートを何層も重ねます。古くから大きな建物の屋上で使われてきた方法です
- FRP防水 — ガラス繊維で補強した樹脂の硬い膜です。バルコニーなど、比較的狭い場所でよく使われます
かぶせる工法を選べるかどうかは、いまの層の材料と、新しく重ねる材料の相性でも決まります。今の屋上が何でできているかを確かめるところから始めるのは、そのためです。

やり直しの時期を知らせるサイン
- 表面のふくれ、しわ、ひび割れ
- 端や立ち上がりの部分のはがれ、めくれ
- 雨のあと、何日も乾かない水たまり
- 排水口(ドレン)のまわりの傷みや詰まり
- すき間から草が生えている
どれも、まだ室内に漏れていなくても出てくるサインです。漏れる前に直すほうが、選べる工法が多く残ります。下の層まで水が回ってしまうと、かぶせる工法が使えなくなるためです。
北海道の屋上防水は、工事の季節が限られる
防水の材料の多くは、気温が低いときや、下地が濡れているときには、本来の性能が出ません。雪が積もっている間は、そもそも屋上の表面を出すことができません。
そのため北海道では、屋上防水は雪のない時期に工事をするのが基本です。雪解けのころに漏れや傷みに気づいたら、早めに状態を確かめておくと、雪のない時期に工事を組みやすくなります。凍結と融解が屋上に与える影響は、コラム「北海道の建物が傷む本当の理由 — 凍結と融解のくり返し」で書いています。
すでに漏れが出ている場合は、工法を選ぶ前に水の入口を確かめます。その考え方は、コラム『「直したのに、また漏れる」が起きる仕組み』を参考にしてください。店舗やテナントビルで、営業を続けながら工事を進める方法は「営業を止めずに、防水や補修はできるか」で説明しています。
工法と範囲は、理由をつけてお出しします
当社では、現場を確認したうえで、なぜその工法なのか・なぜその範囲なのかを添えてお見積りします。見ないまま数字だけを出すことはしません。
現地確認とお見積りは無料です。内容にご納得いただけない場合、そのままお断りいただいて構いません。











