札幌市のリフォーム補助金の中心は、「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」です。対象は省エネ改修とバリアフリー改修で、外壁や屋根の塗装は対象になりません。札幌市は制度のページで、塗装工事(外壁または屋根)を対象とした補助金は市にはない、とはっきり書いています。雨漏りの修理も、補助の対象になる工事の一覧に入っていません。
外壁や屋根の工事で対象になりうるのは、戸建て住宅の外壁全体や、屋根または天井全体の断熱改修のように、市の基準まで断熱の性能を上げる工事です。この記事は、札幌市の「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」のページ(2026年10月1日更新)と、令和8年度(2026年度)のパンフレット・実施要領を、2026年10月に確かめて書いています。補助の金額や上限は年度で変わるため、このサイトでは書きません。公式ページで確かめてください。
札幌市住宅エコリフォーム補助制度とは(令和8年度)
- 対象の住宅 — 札幌市内の戸建て住宅と、共同住宅(マンションなど)の住戸部分。共同住宅の共用部分は対象外。店舗や事務所との兼用住宅は、住宅部分が全体の半分を超える場合に、住宅部分だけが対象
- 申請できる人 — 申請のときに札幌市民であること(未成年を除く。市内に本店か支店がある法人も可)、市税を滞納していないことなど。工事完了の報告のときに、その住宅を所有しているか、そこに住んでいる必要がある
- 工事をする会社 — 建設業の許可を受け、札幌市内に主たる営業所がある事業者。設計・施工・資材など複数の会社と契約する場合は、すべての会社が条件を満たす必要がある
- 時期 — 2026年4月1日以降に工事の契約をして、2027年1月31日までに完了する工事
- 回数 — 同じ住宅、同じ人につき、年度ごとに1回まで
制度は、市が定めた省エネ改修やバリアフリー改修をする市民に、費用の一部を補助するものです。工事の総額と補助金額にはそれぞれ下限があり、補助金額には上限があります。どれもパンフレットに載っています。
申請書は、エコリフォーム事務局(一般財団法人北海道建築指導センター内)へ郵送で出します。郵送だけの受付で、受付期間内に届く必要があります。
補助の対象になる工事 — 省エネ改修とバリアフリー改修
- 浴室の改良 — 浴室を広げる、浴槽のまたぎを低くする、入口の段差をなくす、滑りにくい床にする、高断熱浴槽にする(どれも細かい条件あり)
- 便所の改良 — 便所を広げる、和式を洋式にする、節水型便器にするなど
- 全熱交換器の設置 — 換気で逃げる熱と湿気を回収する設備
- 階段の改良・段差の解消・廊下の拡幅・手すりの新設・出入口の戸の改良・玄関前スロープの設置
- 窓・玄関扉の断熱改修 — 決められた断熱性能の窓や玄関扉への交換・増設(ガラスだけの交換は対象外)
- 床・屋根または天井・外壁全体の断熱改修 — 戸建て住宅のみ
令和8年度のパンフレットに載っている対象工事は、まとめると上の11種類です。どの工事にも寸法や性能の基準があり、基準に届かない工事は対象になりません。
お風呂やトイレ、窓のリフォームで補助金を探している方は、この制度が当てはまるかを、パンフレットの基準で確かめてください。ただし、マンションなど共同住宅の外窓と玄関扉は、この制度では対象外とされています。

外壁・屋根の塗装は補助金の対象になるか
対象になりません。札幌市は制度のページの「お知らせ」で、多くの問い合わせを受けているとしたうえで、市には塗装工事(外壁または屋根)を対象とした補助金はないと明記しています(2026年10月に確認)。
外壁の張り替えや屋根の葺き替え、ひび割れの補修、板金の修理も、前の節の対象工事には入っていません。住宅エコリフォーム補助制度では、塗装や補修そのものに補助は出ません。
「外壁塗装に使える補助金」と書かれた案内を見たときは、どの制度の、どの要件に当たるのかを、札幌市や国の公式ページで確かめてください。
雨漏りの修理は補助金の対象になるか
雨漏りの修理そのものも、札幌市住宅エコリフォーム補助制度の対象工事には入っていません。後で説明する国の「みらいエコ住宅2026事業」の対象工事の一覧にも、雨漏りの修理はありません。
台風や大雪で屋根や外壁が壊れ、そこから雨や雪の融けた水が入った場合は、補助金ではなく、火災保険の補償を確かめることになります。補償されるかどうかは、契約の内容と損害の原因で決まります。考え方は『すがもり(すが漏り)とは?原因・雨漏りとの違い・対策と応急処置』の火災保険の節に書いています。
日本損害保険協会は、「保険が使える」と言って勧誘する住宅修理の業者とのトラブルに注意を呼びかけ、業者と契約する前に、契約している損害保険会社か代理店に相談するよう案内しています。
外壁・屋根の工事で対象になりうる組み合わせ — 断熱改修
- 外壁全体の断熱改修 — 外壁の全体を、市が定める断熱の性能(熱抵抗値)以上にする工事
- 屋根または天井全体の断熱改修 — 屋根か天井の全体を、同じく市の基準以上にする工事
- 条件 — 戸建て住宅のみ。断熱する範囲(断熱区画)の外は対象外。今ある断熱材を残して新しく足す場合は、足した断熱材が基準に合えば対象(パンフレットのQ&A)
たとえば、外壁を張り替えるときに外壁全体へ断熱材を足す、屋根を直すときに屋根や天井の全体の断熱を基準まで上げる、という組み合わせなら、断熱改修の分が補助の対象になりえます。補助が付くのは断熱改修の分で、張り替えや葺き替え、塗装の分ではありません。
パンフレットでは、補助金の額は、対象工事ごとに市が定めた額の合計で決まるとされています。完了の報告では、断熱材の製品名が分かる写真と、施工した厚さが分かる工事中の写真が求められます。工事の会社に、写真を撮る段取りまで伝えておいてください。
天井や屋根の断熱は、すがもり(すが漏り)の対策のひとつでもあります。断熱改修を考えるときは、雪の時期に漏れたことがないかも合わせて伝えると、工事の範囲を決めやすくなります。

受付期間と抽選のしくみ — 令和8年度の場合
- 受付 — 第1回は2026年5月22日〜6月4日、第2回は9月4日〜9月17日。郵送だけで、期間内に届いたものを受け付ける
- 抽選 — 期間内の申請額が市の予定額を超えたら抽選。抽選は公開で行い、抽選の有無と結果(当選番号)を公式ページに載せる。落選した人への通知はない
- 抽選がなかった場合 — 受付を延長し、予定額に達するまで先着順で受け付ける
- 第1回で落選したら — 書類をそろえ直して、第2回に申し込める
- 当選したら — 審査のあと、交付決定か不交付決定の通知が届く。審査には2〜3か月かかる
令和8年度の第2回は申請額が予定額を超え、9月30日に抽選が行われました。札幌市のページには、令和8年度の受付は終了したと載っています(2026年10月1日更新)。
令和9年度(2027年度)の内容は、この記事を書いた2026年10月の時点では、まだ載っていません。実施要領では、受付期間は年度ごとに定めるとされています。新しい年度の要綱とパンフレットが出てから、受付の時期と対象の工事、契約の日の条件を確かめてください。
申請の前に気をつけること
- 工事の前の写真 — 補助金の交付が決まる前でも着工はできる。ただし、申請するすべての工事で、工事前の様子が分かる写真が要る。写真で要件を確かめられないと対象外になることがある
- 国の補助との重複 — 同じ工事箇所で、国のみらいエコ住宅2026事業や先進的窓リノベ2026事業などと重ねて申請できない
- 対象にならない工事 — 新築や建て替え、転売目的のリフォーム、自分で行う工事、中古品を使う工事。建築基準法に違反している住宅も対象外
- 申請後の変更 — 申請したあとに、補助金額を増やしたり対象工事を足したりする変更はできない
- 完了の報告 — 工事完了から2か月以内など、決められた期限までに郵送で出す(令和8年度の最終期限は2027年3月1日)
見積書は申請者の名前あてにして、対象工事の部分が分かるようにします。国の補助も使う場合は、見積書を分けて作り、両方を出すよう求められています。
マンションの外壁・屋上は — 集合住宅の外断熱改修の補助
- 制度 — 札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金。今ある集合住宅で、外壁や窓などの断熱を高める工事のうち、国の省エネの基準(ZEH水準の仕様の基準)を満たすものが対象
- 申請する人 — 分譲マンションは管理組合、賃貸の集合住宅は所有者
- 建物 — 共同住宅・寮・寄宿舎で、耐火建築物か準耐火建築物、延べ面積1,000㎡以上、地階を除いて原則3階以上、地震に対する安全性の条件を満たすことなど
- 時期 — 令和8年度は2026年8月24日から10月23日までが受付期間で、先着順。予算に達すれば期間内でも終了
- 併用 — 同じ工事箇所で、国・北海道・札幌市のほかの補助とは併用できない
マンションの外壁や屋上は共用部分なので、住宅エコリフォーム補助制度では対象外です。共用部分の断熱については、札幌市に上の外断熱改修の補助があります(札幌市の制度ページ、2026年9月28日更新)。塗装や防水の改修だけの工事は、外壁の断熱を高める工事には当たりません。
外壁の断熱を高める工事を、大規模修繕と合わせて考えるかどうかは、管理組合で決めることです。修繕の進め方は『大規模修繕の流れと周期 — 何年ごとに、着工前に何を決めるか』で説明しています。

国の補助金 — 住宅省エネ2026キャンペーン
- みらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省) — 省エネ改修を含むリフォームが対象。2016年(平成28年)12月31日以前に建てられた住宅で、外に面した窓などがある居室を1つ選び、国が決めた組み合わせの省エネ工事をすることが条件
- 先進的窓リノベ2026事業(環境省) — 窓の断熱改修
- 給湯省エネ2026事業(経済産業省) — 高効率給湯器の設置
国の制度は、2025年11月28日に国土交通省・環境省・経済産業省が発表した「住宅省エネ2026キャンペーン」にまとめられています。みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、あらかじめ登録した工事会社(みらいエコ住宅事業者)が申請し、受け取った補助金を発注者に還元するしくみです。発注者が自分で申請するのではありません。
対象は、2025年11月28日から遅くとも2026年12月31日までに着工した工事で、予算の上限に達すれば、その時点で締め切られます。対象工事の一覧は、開口部の断熱、躯体(床・壁・天井)の断熱、エコ住宅設備、子育て対応、防災性向上、バリアフリーなどで、塗装や雨漏りの修理は入っていません。
札幌市の制度と同じ工事箇所で重ねて使うことはできません。条件や予算の残りは、みらいエコ住宅2026事業の公式サイトで確かめてください。
札幌市のほかの住まいの支援制度
- 札幌市木造住宅耐震改修工事等補助事業 — 木造住宅の耐震診断・耐震設計・耐震改修工事
- 再エネ省エネ機器導入補助金制度 — 再生可能エネルギーや省エネルギーの機器の導入
- 介護保険法に基づく住宅改修費の支給 — 手すりの取り付けなど(窓口は各区役所の保健福祉課)
- 札幌市融雪施設設置資金融資あっせん制度 — 融雪槽(機)やロードヒーティングを設置する費用の、無利子の融資のあっせん
- 札幌市危険空家等除却補助制度 — 危険な空き家などの解体
札幌市の「住まいに関する主な支援制度」のページに、市と国の制度がまとめて載っています(2026年度版のリーフレットもあります)。住宅エコリフォーム補助制度のページでは、補助の対象になる工事箇所をはっきり分けられる場合は、耐震化の補助や再エネ省エネ機器の補助と併用できるとしています。
相談する前に確かめておくこと
- 建物の種類(戸建てか、マンションの住戸か、共用部分か)と、建てた年
- やりたい工事が、補助の対象工事と基準に当てはまるか(塗装・補修・雨漏りの修理は対象外)
- 契約の日と完了の予定が、その年度の制度の期間に収まるか
- 工事の会社が、制度の条件(札幌市の制度なら、建設業の許可と市内の主たる営業所)を満たすか
- 工事前の写真を、制度の決まりに沿って撮ったか
雨漏りや外壁の傷みは、補助金の受付を待つあいだにも進みます。まず原因を確かめ、急いで直す修理と、断熱改修のように制度に合わせて計画できる工事を分けて考えてください。
合同会社LIT(札幌市)では、雨漏り・漏水の修理(水の入口の特定から止水工事まで)、防水、外壁補修を承っています。現地確認・お見積りは無料です。
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