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公開 更新 保全工事

「直したのに、また漏れる」が起きる仕組み

雨漏りの相談で最も多いのが「以前直してもらったのに、また漏れてきた」というものです。原因は、ほとんどの場合ひとつに行き着きます。天井のしみは、水の入口ではないということです。

水は、いちばん低いところまで移動してから落ちる

建物に入った水は、壁の中や床の下を通り、落ちられる場所まで移動してから室内に現れます。屋上のひび割れから入った水が、10メートル離れた部屋の天井に出てくることも珍しくありません。

つまり、しみが出ている真上を直しても、水の入口はそのまま残ります。ふさがれた水は別の弱いところへ回り、しばらくすると違う場所に出てきます。「直したのに再発した」の正体はこれです。

だから、調べる順番が決まる

  • 1. 症状の記録 — いつ、どんな雨のときに、どこに出るか
  • 2. 入口の候補を絞る — 屋上、外壁、サッシまわり、設備の貫通部
  • 3. 通り道の確認 — 実際に水を流して、どこを通るかを追う
  • 4. 工事の組み立て — 入口を止め、そのうえで出口側を仕上げる

この順番を飛ばして工事に入ると、「工事はしたが止まらない」という結果になります。逆に、入口さえ押さえられれば、工事の範囲はむしろ小さくなることがあります。

制御盤の下の配線のすぐ手前まで来たたまり水

エレベーターピットのたまり水は、別の危険がある

エレベーターの下(ピット)に水がたまる場合、放っておくと制御盤や配線に届き、エレベーターそのものが止まります。止まってから直すと、工事だけでなく、その間の運行停止による影響が出ます。

たまり水は地下水位や周辺の排水の影響を受けるため、屋上の雨漏りとは調べ方が変わります。ここも入口を止める考え方は同じです。

水の入口になりやすい場所

  • 屋上の排水口(ドレン) — 落ち葉や砂で詰まると屋上に水が溜まり、防水の弱いところから入ります
  • 防水層の端と立ち上がり — 平らな面より、壁に折れ曲がる部分や端の押さえから先に傷みます
  • 笠木(かさぎ)の継ぎ目 — 屋上やバルコニーの壁の上に載っている部材のつなぎ目です
  • サッシまわりのシーリング — ゴム状の目地材が硬くなって切れると、横から吹き付ける雨が入ります
  • 配管や換気口が壁を貫く部分 — 後から穴を開けた場所は、とくに疑います

天井のしみの位置から上へたどりながら、これらの候補を順に見ていきます。入口は1か所とは限らず、2か所以上から入っていることもあります。

地下のエレベーターピットに溜まる水については、コラム「エレベーターピットに水が溜まるのは、なぜか」で詳しく書いています。

雪解けの時期だけ漏れるなら、「すが漏れ」を疑う

北海道では、雨の日ではなく、雪解けの時期や冬の晴れた日に漏れることがあります。このとき疑うのが、すが漏れです。

屋根に積もった雪が、室内の暖かさで下のほうから融けます。融けた水は屋根を流れ下りますが、外気で冷えた軒先で再び凍り、氷の堤を作ります。行き場をなくした水が屋根の上に溜まり、屋根材の継ぎ目から中へ入り込みます。平らな屋根でも、排水口が凍って詰まると、同じように水が溜まって漏れます。

雨漏りとは水の入り方が違うため、晴れた日に水をかけて確かめても再現しないことがあります。いつ漏れるかの記録が、ここでも手がかりになります。凍結と融解が建物に与える影響は、コラム「北海道の建物が傷む本当の理由 — 凍結と融解のくり返し」でも説明しています。

高所の手すりを点検する職人

応急の手当てで、やってよいこと・避けたいこと

  • やってよい — 受け皿やシートで下の物を守る、しみの位置と広がりを日付入りで撮る、漏れた日の天気を書き留める
  • 避けたい — 室内側から、しみの出口をコーキングやテープでふさぐ

出口をふさぐと、水は別の場所へ回ります。見えるところに出てこなくなっただけで、壁の中や天井の裏で濡れ続けることになり、気づいたときには傷みが広がっているということが起きます。

屋上の防水そのものを直す方法は、コラム「屋上防水の直し方は、大きく3つある」で紹介しています。

相談するときにあると助かる情報

  • いつから出ているか
  • どんな天気のときに出るか(強い雨のとき/風がある雨のとき/雪解けのとき)
  • 過去にどこを、どう直したか
  • 写真(しみの位置、屋上や外壁の様子)

分かる範囲で構いません。現地確認とお見積りは無料でお受けしています。

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