「外壁にひびがあるのですが、直したほうがいいですか」。よくいただくご質問です。全部を直す必要はありませんが、放っておくと高くつくものはあります。
幅を見る
髪の毛のように細い線は、コンクリートが乾くときに出るもので、すぐに困ることは多くありません。
問題になるのは、中の鉄筋まで水が届く幅になったときです。鉄筋が錆びると膨らみ、その圧力でまわりのコンクリートを押し割ります。こうなると、ひびを埋めるだけでは終わりません。
向きを見る
縦・横・斜めで、意味が変わります。窓の角から斜めに伸びている線は、そこに力が集中している印です。
同じ向きの線が等間隔に並んでいるときは、中の鉄筋の位置に沿って出ていることがあります。この場合は錆を疑います。

場所を見る
- 笠木(壁の上に載っている部材)のまわり — 上から水が入ります
- 窓まわり — シーリングが切れていると、そこと合わせて入ります
- バルコニーの付け根 — 雨がかかり続け、雪も溜まります
- 北側の日が当たらない面 — 乾く時間が短く、凍結の回数が増えます
同じ幅のひびでも、水が集まる場所にあるかどうかで危なさが変わります。
北海道では、進み方が速い
しみ込んだ水が凍って膨らみ、緩んでまた水を入れる。これを冬のあいだ何度もくり返すことで、コンクリートは内側から押し広げられていきます。
本州と同じ感覚で「まだ細いから来年」と判断すると、翌シーズンに同じ場所が開いていることがあります。
ひびの補修は、種類によって方法が変わる
- 表面を塗ってふさぐ — 細いひびに。塗料や薄い材料で表面を覆い、水の入口をなくします
- 樹脂を注入する — ある程度の幅があり、奥まで続いているひびに。細い管から材料を押し込み、中まで埋めます
- 溝を切って詰め直す — 動きのあるひびや幅の広いひびに。ひびに沿って溝を作り、伸び縮みについていける材料を詰めます
どれを選ぶかは、幅だけでなく、ひびがまだ動いているかどうかで決まります。動いているひびを硬い材料で埋めると、その脇に新しいひびが出ます。
補修のあとは、上から塗装をかけて色をそろえることが多く、跡は目立たなくなります。ただし、塗装で隠れたことと、ひびが直ったことは別です。見積りでは、塗る前にひびをどう処理するのかを確かめてください。

ひびと一緒に見ておきたい、外壁のサイン
- 白い筋や粉(白華) — ひびから入った水が、コンクリートの成分を溶かして表面に運んだ跡です。水が通っている証拠になります
- 茶色の筋(錆汁) — 中の鉄筋や金物が錆びているサインです
- タイルの浮き — 叩くと軽い音がする場所は、下地から離れていることがあります
- 手に付く白い粉(チョーキング) — 塗装が傷み、表面を守る力が落ちている印です
錆汁が出ている場合は、ひびの問題が鉄の問題に移り始めています。鉄の錆がどう進むかは、コラム「鉄部の錆は、塗り替えの時期を逃すと何が変わるか」で説明しています。
ひびの幅は、道具で測れる
幅を目で見て判断するのは難しいものです。ひびの幅を測るためのクラックスケールという薄い定規が市販されていて、印刷された線の太さと見比べるだけで幅が分かります。
測った幅は、次に同じ場所を見るときの比べる基準になります。ひびの長さや本数、どの面に多いかも一緒に書き留めておくと、建物全体の傾向がつかめます。建物全体をまとめて直す大規模修繕を控えているなら、こうした記録がそのまま説明の材料になります。その進め方は、コラム「大規模修繕の前に、決めておくと揉めないこと」でまとめています。
迷ったら、写真を撮っておいてください
同じ場所を、季節ごとに同じ角度で撮っておくと、進んでいるかどうかが分かります。動いていないひびは、急いで直す必要がないことも多いのです。
判断がつかないときは、見にいきます。現地確認とお見積りは無料です。











