駐車場に立っている警備員は、外から見ると同じ場所にいるだけに見えます。実際には、見ている対象が刻々と変わっています。
1. 入口で、入れるかどうかを判断する
場内が満車に近づいたとき、そのまま入れると出口まで詰まります。入れる台数を場内の残りと出ていく速さから見て、入口で止めるか通すかを決めます。
満車の表示を出すだけでは、道路に列ができます。どこへ案内するかまで決まっていて初めて、入口を止められます。
2. 場内で、人と車を分ける
駐車場の事故は、走っている車同士よりも、車から降りた人との間で起きます。買い物袋を持った方は、後ろを確認せずに歩きます。
バックで出る車の後ろに人が入る瞬間が、いちばん危険です。そこに立てる位置をあらかじめ決めておきます。

3. 出口を詰まらせない
出口で1台が迷うと、後ろが全部止まります。精算機の操作に戸惑う方、道路に出るタイミングが分からない方には、こちらから合図を出します。
出口が流れていれば、入口も回ります。場内の台数が同じでも、出口の速さで体感はまったく変わります。
駐車場で起きやすい事故の形
- バックで出る車と、後ろを歩く人 — 運転席から、背の低い子どもは見えません
- 区画を探して徐行する車と、横から出てくる車 — どちらも前を見ていないことがあります
- 出口から道路へ出る車と、歩道を通る人・自転車 — 車の流れに気を取られ、歩道を横切る人を見落とします
- 入庫を待つ列 — 道路にはみ出した列の最後尾に、後ろから来た車が追突します
警備員が立つ位置は、この4つのどれを防ぐかで決まります。全部に人を置けない場合は、起きたときの被害が大きいところから順に置きます。
あわせて、場内で事故が起きたときに誰が最初に対応し、どこへ連絡するのかも、施設の側と先に決めておきます。
冬の駐車場で変わること
北海道の冬は、除雪の雪山が区画の一部を埋めるので、止められる台数そのものが減ります。夏と同じ感覚で案内すると、場内で空きを探す車があふれます。
雪山は死角も作ります。出口の脇に積まれた雪で、歩道を来る人が見えなくなることがあります。路面の凍結で、車から降りた方が転ぶ場面も増えます。
除雪した雪をどこに寄せるかで、残る台数と死角の位置が変わります。雪の置き場所を除雪の業者と警備で話し合っておくと、冬の途中で配置を大きく変えずに済みます。
除雪の車が入る時間と、お客様の車が多い時間が重ならないように調整するのも、冬の駐車場では大事な段取りです。冬の現場全般の考え方は、コラム「冬の現場で、警備を止めないために決めておくこと」に書いています。

頼む前に、分かっていると早いこと
- 場内の区画の図(手書きでも構いません)と、止められる台数
- 混む日と時間帯(セール、行事、年末など)
- 満車になったときに案内する先(第二駐車場など)
- 精算の仕方と、出口の数
駐車場で車を誘導する仕事は、警備業法の区分では2号警備にあたります。区分の違いは、コラム「1号・2号・4号警備は、何が違うのか」で説明しています。
繁忙期だけ増やす
土日だけ、セールの期間だけ、年末だけ。必要な日だけ増やす組み方ができます。常時置くほどではないが、混む日は危ない、という現場に向いています。
どの日が混むかは、施設の側がいちばんよくご存じです。その日程を教えていただければ、そこに合わせて人を出します。











