冬の現場でいちばん困るのは、寒さそのものではありません。車が止まらないことと、視界が消えることです。この2つは、立つ位置と合図の出し方を変えないと解決しません。
止まる距離が、夏の何倍にもなる
圧雪とアイスバーンでは、ブレーキを踏んでから止まるまでの距離が大きく伸びます。夏と同じ場所で旗を出すと、止まりきれない位置になります。
そのため冬は、合図を出す位置を手前にずらします。現場の入口だけでなく、その手前の坂やカーブも含めて見る必要があります。
地吹雪は、いきなり来る
晴れていても、風が出た瞬間に前が見えなくなることがあります。見えない時間が数十秒続くだけで、誘導は成立しません。
そのときに作業を止める判断を誰がするかを、先に決めておいてください。止める基準がないと、現場の判断が人によってばらつきます。

雪山が、死角を作る
除雪で積み上がった雪は、日が経つほど高くなります。11月に見通せた交差点が、1月には何も見えない場所になります。
配置は一度決めて終わりではなく、雪の高さに合わせて動かします。長い期間の現場では、途中で見直す前提でお考えください。
隊員が体を冷やしきらない仕組み
外に立ち続けると、判断そのものが鈍ります。交代で暖を取れる場所が現場にあるかどうかで、後半の精度が変わります。
休憩場所を用意しづらい現場では、交代の回数を増やす組み方に変えます。人数の話に見えますが、実際は安全の話です。
排雪の作業にも、誘導が要る
冬の北海道では、積もった雪をダンプに積んで運び出す排雪の作業が各地で行われます。重機とダンプが道路を出入りし、道路脇の雪山も崩していくので、夏の工事とは違う動き方になります。
重機は後ろが見えにくく、雪の壁で歩く人の姿も隠れます。作業する場所が少しずつ移っていくため、誘導の位置も作業に合わせて動かしていきます。
ダンプが出入りする場所だけでなく、除雪車が雪を飛ばす向きにも人や車が入らないよう、作業の流れ全体を見て立つ位置を決めます。

隊員の装備で、見え方が変わる
冬は日が短く、夕方の早い時間から暗くなります。雪が降っていると、昼でも人の姿が背景に溶けます。反射材の付いた服や、光る誘導灯を使って、運転席から見える状態を作ります。
防寒具を重ねると動きが鈍くなり、合図も小さくなりがちです。旗や誘導灯を大きく振れるかどうかまで含めて、装備を選びます。
足元も同じです。凍った路面で踏ん張れない靴では、とっさに車をよけられません。滑りにくい靴や靴底の滑り止めは、冬の現場では安全のための装備のひとつです。
冬の前に、現場と打ち合わせておくこと
- 作業を止める基準(視界、風、路面)と、止める判断をする人
- 除雪や排雪を、誰が、どの時間に行うか
- 警備員が暖を取れる場所と、交代の回数
- 雪で工程が延びたときの連絡の仕方
決めた内容は紙1枚にまとめて現場に置いておくと、交代で入った警備員も同じ判断ができます。
この4つが決まっていれば、天気が急に変わった日でも現場が迷いません。冬の人数の考え方はコラム「交通誘導は、何人頼めばいいのか」、駐車場の冬の注意点は「駐車場の警備は、実際に何をしているのか」でも触れています。
冬の現場は、早めにご相談ください
冬期は現場の数が一度に増えます。日程が決まっている工事やイベントは、早めにお声がけいただけると体制を作りやすくなります。
現地の確認とお見積りは無料です。雪が積もる前に一度見ておくと、冬の配置を先に決められます。











