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公開 DX・サイネージ

デジタルサイネージの導入の流れ — 費用が決まる要素と補助金の探し方

デジタルサイネージの導入は、何のために、どこで、誰に見せるかを決めるところから始めます。そのうえで、機器(液晶かLEDか、屋内用か屋外用か)、配信の方式、中身を作る人、運用と保守の順に決めていきます。機器を先に選ぶと、置いてから「何を映すか」「誰が変えるか」で止まりやすくなります。

費用は、画面の大きさと台数、屋内か屋外か、配信の仕組み、設置の工事、中身の制作、運用と保守の範囲で決まります。補助金は「サイネージ」という言葉より、何のために入れるか(販路の開拓、外国人観光客への案内、業務のデジタル化など)で探すと見つけやすくなります。

デジタルサイネージとは — 4つの部品でできている

  • ディスプレイ — 中身を映す画面。液晶ディスプレイやLEDビジョンなど
  • プレーヤ — 画面につないで、決めた予定どおりに中身を自動で再生する機器
  • 配信の仕組み — 中身を管理し、どの画面に、いつ、何を流すかを決めてプレーヤに送る仕組み
  • コンテンツ(中身) — 映す動画、静止画、文字など

デジタルサイネージは、紙のポスターや看板の代わりに、画面で案内や広告を出す仕組みです。業界団体のデジタルサイネージコンソーシアムがまとめたガイドライン(総務省の会議資料)では、上のような部品に分けて説明しています。

導入の流れ — 7つの段階

  • 1. 目的と見せる相手を決める — 何を知らせたいか、誰に、どう動いてほしいか
  • 2. 置く場所を決める — 見る人との距離、立ち止まるか通り過ぎるか、日が当たるか、電源と回線があるか
  • 3. 機器を選ぶ — 液晶かLEDか、屋内用か屋外用か、大きさと台数、縦向きか横向きか
  • 4. 配信の方式を選ぶ — USBで差し替えるか、ネットワークで送るか
  • 5. 中身を作る人と流れを決める — 社内で作るか、外に任せるか。載せる前に誰が確かめるか
  • 6. 設置の工事と手続きを済ませる — 取り付け、電源と回線の工事、屋外なら屋外広告物の許可
  • 7. 運用と保守を始める — 差し替えの予定、映っているかの確認、故障したときの連絡先

大切なのは、1と2が決まらないうちに3を決めないことです。画面の大きさや明るさは、置く場所と見る人の距離で決まるからです。

タブレットに映した画面の配置と付箋を、指さして打ち合わせる手

目的と置く場所を先に決める

目的によって、向いている画面も中身も変わります。店の前を通る人に来店してもらいたいのか、受付やロビーで館内を案内したいのか、待合で順番やお知らせを出したいのか、社内で数字や予定を共有したいのかで、画面の向き・大きさ・置く高さが違います。

置く場所を見るときは、見る人がどこに立つかを確かめます。前を通り過ぎる人が画面を見るのは、ほんの短い時間です。短い一言と大きな文字が要ります。立ち止まって待つ場所なら、少し長い案内も読まれます。

あわせて、日が当たるか、コンセントや配線の通り道があるか、インターネットの回線を引けるかも見ておきます。屋外や窓ぎわは、明るさの条件が屋内とは大きく変わります。

機器の選び方 — 液晶かLEDか、屋内用か屋外用か

  • 液晶ディスプレイ — 1枚の画面で、近くで見ても文字や写真が細かく映る。受付、店内、待合など、近くで見る場所に向く
  • LEDビジョン — 小さなLEDの粒を並べた部品を組み合わせて画面を作るので、大きな画面にしやすく、明るい。ビルの壁面や店頭など、離れた所から見せる場所に向く
  • 屋内用と屋外用 — 屋外用は、雨や雪、ほこり、寒さ、日差しに耐える作りと明るさが要る。窓の内側から外へ見せる場合も、日が当たる向きなら明るさが要る
  • 縦向きか横向きか・タッチパネルか — 置く場所と見せ方で決める。縦向きで使えるかは機種ごとに確かめる

LEDビジョンは、光る粒の間隔(ピッチ)によって、近くで見たときの細かさが変わります。明るさとピッチの数字の読み方は『LEDビジョンの輝度(明るさ)とピッチの選び方 — 屋外・屋内の目安』で説明しています。

屋外に置く場合は、防水の等級、動く温度の下限、雪の吹き込み、点検に入れる位置などを設置の前に確かめます。北海道の冬に合わせた注意点は『屋外LEDビジョン設置の注意点 — 防水・雪・屋外広告物の許可』にまとめています。

配信の方式 — USBで差し替えるか、ネットワークで送るか

中身の入れ替え方は、大きく2つです。USBメモリやSDカードに入れたデータを画面側の機器に差して映す方式(スタンドアロン型)と、インターネットや社内の回線を通して事務所のパソコンなどから送る方式(ネットワーク型)です。ネットワーク型には、配信の仕組みを自社に置くものと、インターネット上のサービスを使うもの(クラウド型)があります。

画面が1台で、すぐそばにあるならUSB型でも回ります。画面が何台もある、建物が離れている、高い所や屋外にある、急なお知らせをすぐ出したい、という場合はネットワーク型が向きます。クラウド型には、画面の台数などに応じて利用料がかかるものがあります。運用の違いは『デジタルサイネージの運用方法 — 更新が止まる原因と続けるための体制』で説明しています。

夕暮れの中層マンションの外観

中身を作る人と運用を、導入の前に決める

導入でいちばん見落とされやすいのが、中身を作り、差し替える人です。最初に映す中身を誰が作るか、その後どれくらいの頻度で変えるか、急なお知らせを誰が出すか、載せる前に誰が確かめるかを、機器を決める前に決めておきます。

社内で作る場合は、画面の縦横の比率に合わせた型を用意しておくと、差し替えのたびにゼロから作らずに済みます。社内に担当を置けない場合は、企画・制作・差し替えを外に任せる方法もあります。その場合も、何を載せてよいかを最後に決めるのは施設の側です。

保守では、故障したときの連絡先と、直すまでの間の案内の出し方を決めておきます。停電のあとに表示が自動で戻るか、回線が切れたときに何が映るかも、導入のときに確かめておきたい点です。

設置の工事と手続き — 電源・回線・許可

  • 取り付け — 壁に掛ける、天井から吊る、床に置く、屋外に自立させる。重さに耐える下地や架台・基礎が要る
  • 電源 — 近くにコンセントがない、専用の回路が要る、といった場合は電気の工事が要る。電気工事は、電気工事士などの資格がなければ行えない(電気工事士法第3条・経済産業省)
  • 回線 — ネットワーク型なら、有線か無線の回線を画面のそばまで用意する
  • 屋外広告物の許可 — 屋外に向けて出す画面は、屋外広告物として許可が要る場合がある。札幌市の手引では、デジタルサイネージは「電光板」に入る
  • 建物の持ち主・管理会社の了承 — 借りている建物なら、取り付けや配線の前に了承を得る

札幌市では、屋外広告物を出すには原則として市長の許可が要り、許可には期間があります。窓の内側から外へ向けて見せる画面が対象になるかも含めて、設置の前に区の窓口で確かめてください。高さによっては、建築基準法の手続きが関わることもあります。

デジタルサイネージの費用が決まる要素

  • 機器 — 液晶かLEDか、画面の大きさと台数、屋内用か屋外用か。LEDビジョンは面積とピッチ
  • プレーヤと配信の仕組み — USB型かネットワーク型か。クラウド型の利用料は台数や期間で決まるものがある
  • 設置の工事 — 取り付け方、金具・架台・基礎、高い所での作業の有無
  • 電気と回線の工事 — 電源の位置、専用の回路、回線を引く距離
  • 中身の制作 — 最初に作る本数、動画か静止画か、差し替えの頻度
  • 運用と保守 — 差し替えを外に任せる範囲、故障したときの対応の早さ、部品の交換をどこまで含めるか
  • 許可と更新 — 屋外広告物の申請と、期間ごとの継続の申請

買い取るほか、レンタルやリースで使う方法もあり、期間や含まれる中身で比べ方が変わります。見積もりを比べるときは、機器の価格だけでなく、工事・中身・運用・保守のどこまでが含まれているかをそろえて見てください。

マンションのエントランスの集合ポスト

補助金の探し方 — 国・北海道・札幌市の公式の窓口

  • J-Net21 支援情報ヘッドライン(中小企業基盤整備機構) — 国や都道府県などの補助金・助成金を、地域とキーワードで検索できる
  • ミラサポplus(中小企業庁) — 補助金・助成金を探せるほか、地域の補助金を探す入口や、相談先の案内がある
  • Jグランツ(デジタル庁) — 国や自治体の補助金を電子で申請するシステム。補助金の検索もできる。申請にはGビズIDが要る
  • 北海道 — 経済部がまとめている「道民・道内事業者支援ガイドブック」(2026年10月5日時点版)
  • 札幌市 — 経済観光局がまとめている「令和8年度(2026年度)札幌市 事業者向け補助金等リスト」

探すときは、「サイネージ」だけで検索するより、導入する目的で探すほうが見つかりやすくなります。販路を広げるための広告として入れるのか、外国人観光客への多言語の案内として入れるのか、業務のデジタル化の一部として入れるのかで、当てはまる制度が変わるからです。

補助金は、年度ごとに名前・対象・受付期間が変わります。札幌市のリストにも、内容は作成時点(2026年3月23日現在)のもので、変わることがあると書かれています。使うつもりなら、申し込む前に、その回の公募要領や募集要領で確かめてください。

補助金の要領で確かめること — 2026年度の例から

  • 交付決定の前に発注していないか — 交付が決まる前に発注・契約・購入したものは対象にならない、と決めている制度がある
  • 後払いか — 事業が終わって報告したあとに支払われる制度では、それまで自分で立て替える
  • 機器そのものが対象になるか — モニターのように、ほかの目的にも使える汎用品を対象外にしている制度がある
  • 広告費が対象になるか — 広告宣伝費を対象外にしている制度もある
  • 受付の期間と締め切り — 予算に達したら締め切る、先着順、という制度もある

上は、2026年10月時点で公開されている次の要領に書かれている点です。対象になるかどうかを最後に決めるのは、それぞれの事務局や窓口です。

小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回公募の公募要領(2026年7月21日 第8版)では、広報費の対象となる経費の例に「看板作成・設置」と「街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告への掲載」が挙がっています。一方、機械装置等費の対象とならない例には、パソコンの周辺機器としての「モニター」や「汎用性が高く目的外使用になりえるもの」が挙がっています。交付決定の前に発注・契約・支払いをしたものは対象外で、補助金は後払いです。申請の受付は2026年11月5日から12月15日17時までで、地域の商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書が要ります。

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は、事務局の審査を受けて登録されたITツール(ソフトウェアやサービス)の導入を支援する制度で、登録されたIT導入支援事業者と組んで申請します。事務局のサイトでは、インボイス枠(インボイス対応類型)でハードウェアとして挙がっているのはパソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機・POSレジ・券売機などで、ハードウェアだけの申請はできないとされています。

札幌市観光施設受入環境整備補助金(令和8年度)は、市内の観光施設や飲食店が外国人など多様な観光客を受け入れるための整備が対象で、多言語対応の経費の例に「多言語の看板等の設置」が挙がっています。デジタルサイネージが当てはまるかは書かれていないので、事務局に確かめてください。募集要領では、広告宣伝費や、ほかの目的への汎用性が高いもの、交付決定の前に発注・施工・導入したものは対象外とされています。受付は2026年7月24日から12月21日までで、先着順で、予算に達した時点で終わります。

デジタルサイネージ導入のメリット・デメリット

  • メリット:貼り替えずに中身を変えられる — 印刷や掲示の手間がなく、終わったお知らせもすぐ下ろせる
  • メリット:時間や曜日で出し分けられる — 朝と夜、平日と休日で、見せたいものを変えられる
  • メリット:動きで目に留めてもらう工夫ができる — 動画や切り替わる画面を使える
  • メリット:何台もまとめて変えられる — ネットワーク型なら、離れた場所の画面も事務所から一度に差し替えられる
  • デメリット:中身を作り続ける手間がかかる — 変える人がいなければ、画面は古い表示のまま止まる
  • デメリット:電気代・通信費・利用料・保守がかかり続ける
  • デメリット:故障や停電で消えることがある — 直すまでの間、案内が出せない
  • デメリット:屋外は、許可・防水・寒さ・夜のまぶしさへの備えが要る

メリットの多くは、中身を変え続けることで初めて出ます。反対に、デメリットの多くは、導入の前に運用と保守を決めておくことで小さくできます。めったに変わらない表示まで画面にする必要はありません。

夜の駐輪場

相談する前に決めておくこと

  • 何のために入れるか、誰にどう動いてほしいか
  • 置きたい場所(屋内か屋外か、窓ぎわか)と、見る人の立つ位置
  • 台数と、置ける大きさ
  • 中身を誰が作り、どれくらいの頻度で変えたいか
  • 電源と回線の位置、建物の持ち主や管理会社の了承
  • 補助金を使いたいか(使うなら、その制度の受付期間と要領)

分かる範囲で構いません。当社は、寒冷地に対応した屋外LEDビジョンや館内サイネージの設置から、表示する内容の企画・制作・差し替えまでお引き受けしています。現地確認・お見積りは無料です。

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